ホリスティック医学の重要性が高まると同時に、医療としてのスピリチュアルの重要性が高まっています。医療の現場において、最もスピリチュアルな医療が求められている分野に緩和ケアがあります。
緩和ケアとは生命に関わる重大な病気を持つ患者に対して行われるケアです。近代医学による治療以外の方法で、「身体的」な痛みや、「心理的」「社会的」「スピリチュアル」な苦痛を軽減することを目的にしています。また患者やその家族を精神面から支え、できる限り人生をよいものにする手助けをすることも重要な目的です。
かつての緩和ケアといえば、主にガンなどの終末期医療として行われていました。現在では病気の終末期だけではなく、早期から終末期まで全体的に必要な医療と考えられるようになっています。
患者の苦痛の中でも「スピリチュアルな苦痛」とは、「なぜ私が死ぬのか‥」「死んだらどうなるのか‥」といった、死に直面した時に人間が抱く不安や孤独、喪失感、絶望感などを総合した苦痛で、健康な人には隠れている人間の核心的な意識でもあります。
「人間は誰もがいつか死ぬ」、「長く生きることが大切なことではない」、「死ぬことは怖いことではない」というスピリチュアルな視点でケアをすることは、自分の人生を冷静に振り返り、残された人生を前向きに生きる手助けとなり得ると考えられます。
スピリチュアル側面から行う緩和ケアはスピリチュアル・ケアとも呼ばれ、そのあり方は奥が深く、ホリスティック医学の一つとして、今後に多くの課題が残されています。
ホリスティック医学の一つであるスピリチュアルな医療では、霊的な視点に基づいて病気の治療が行われます。
スピリチュアルな医療では、病気は「カルマの法則」によって引き起こされると考えられています。カルマとは「罪」とか「行為」と訳され、カルマの法則とは「自分のした行為は自分に返ってくる」となります。つまり病気を含むあらゆる苦痛は、自分が過去や前世で作ったカルマの結果であるということです。
カルマとは具体的には利己的な行為のことを指し、心で思ったことや自然に反した肉体の扱いも含まれます。カルマには程度の軽いものから重いものまでさまざまな程度があります。
病気の中でも生まれつきの障害や難病は重いカルマが原因となっている場合が多く、軽いカルマでも積み重なるとそれに見合った苦しみが科せられると考えられます。
カルマによって引き起こされる病気は本人が病気の苦痛を受けてカルマを清算するしかなく、近代医療によって一時的に症状が治っても、カルマの清算を先延ばしするだけということになります。
現在、日本で行われている近代医療では、病気の原因は遺伝や生活習慣、社会環境などと考えられ、投薬や手術によってその原因を取り除き、症状を軽くする治療が行われています。カルマの法則による「病気の原因は自分自身の行為にある」という霊的な考えは患者には受け入れがたいものかもしれません。
しかし近代医療への不信感が高まり、ホリスティック医学などの代替医療が注目を集める中、日本でもスピリチュアルな医療が少しずつ広まっています。